相手の言動に対して説明を求めたとき「そんなつもりじゃなかった」と言われて、モヤモヤした経験はありませんか?
悪気はないように聞こえても、その一言で立場が逆転し、さらにあなたが傷ついたり、責められたように感じてしまいますよね。
この言葉は、単なる言い訳ではなく、**自分を守るための心理的防衛**であることが多いのです。
本記事では、「そんなつもりじゃなかった」と言う人の心理を心理学の観点から読み解き、上手に対応する方法を紹介します。
「そんなつもりじゃなかった」と言う人の心理とは?
① 自己防衛の心理:責められたくない
人は誰でも、自分を「悪い人」だとは思いたくありません。
そのため、相手を傷つけたと気づいた瞬間に、無意識のうちに自己防衛反応が働きます。
「そんなつもりじゃなかった」は、「自分は悪気がなかった」と相手よりも自分を安心させるための言葉なのです。
心理学ではこれを「防衛機制」と呼び、特に「合理化」や「否認」が関係しています。
自分の非を認めることは、心に痛みを伴うため、無意識に“理由づけ”をして心の安定を保とうとするのです。
② 認知的不協和の回避
心理学者フェスティンガーが提唱した「認知的不協和」とは、
自分の行動と信念が矛盾したときに感じる不快感を指します。
「自分は優しい人だ」という信念を持つ人が、他人を傷つけたとき、
その現実を認めるのは苦痛です。
その不快感を打ち消すために、「そんなつもりじゃなかった」と言って、
“自分は悪くない”という自己イメージを保とうとします。
③ 無自覚な加害
中には、本当に「そんなつもりがなかった」人もいます。
相手の感情に鈍感だったり、言葉選びに注意が足りなかったりするタイプです。
こうした人は悪意よりも共感力の低さが原因で、
相手の立場に立って考える習慣が身についていません。
この場合、悪気がないからこそやっかいです。
本人は反省よりも「どうしてそんなに怒るの?」という態度をとることすらあります。
よくある場面別の「そんなつもりじゃなかった」
職場での言動トラブル
上司や同僚が「そんなつもりじゃなかった」と言うときは、
ミスや伝達不足を責められたくない心理が働いています。
指摘された瞬間にプライドが刺激され、
反射的に言い訳のような言葉が出てしまうのです。
友人関係での冗談や言いすぎ
親しい間柄では「冗談のつもりだった」と言われることも。
この場合、相手は冗談の境界線を見誤っているだけで、
本当に悪意がないことも多いです。
しかし、何度も繰り返すようなら距離を取る選択も大切です。
恋愛・家族関係でのすれ違い
身近な関係ほど、「そんなつもりじゃなかった」は頻発します。
親やパートナーなど、心の距離が近いほど甘えが出やすくなるため、
相手の気持ちを軽視してしまう傾向があります。
「そんなつもりじゃなかった」と言う人への対処法
① 感情的にならず、事実を整理して伝える
相手の言葉にカッとなると、対話は成立しません。
「そんなつもりじゃなかった」と言われたら、
まずは冷静に何が事実で、何が感情かを整理して伝えましょう。
例:「あなたが言った○○という言葉が、私には××のように聞こえた」
攻撃ではなく、「私はこう感じた」と伝えることで、
相手が防衛的になりにくくなります。
② 意図よりも“結果”を重視して伝える
「そんなつもりじゃなかった」という人は、
“意図”ばかりを強調し、“結果”に目を向けていません。
そのため、
「意図がどうであっても、私は傷ついた」
というように、結果に焦点を当てる伝え方が効果的です。
意図の正しさよりも、行動の影響を伝えることで、相手に気づきを促せます。
③ 気づきを促す言葉を選ぶ
相手を責めるのではなく、理解を促す言葉を使うのも有効です。
たとえば、
「そう感じたのは、○○な言い方だったからかも」
と伝えると、相手も受け入れやすくなります。
直接「あなたが悪い」と言うよりも、
“出来事”を中心に話すことで、防衛反応がやわらぎます。
④ 何度も繰り返す相手には距離を取る
同じようなことを何度も言われる場合、
相手に変化を期待するより距離を置く選択も大切です。
「理解されない関係」に無理して居続けると、
あなたの心がすり減ってしまいます。
心理的な境界線(バウンダリー)を意識することが、
心を守る第一歩です。
「そんなつもりじゃなかった」と言ってしまう、あなたへ
もし自分がつい口にしてしまうことがあるなら、
言葉自体は悪くはありません。
「そんなつもりじゃなかった」という言葉で終わらせず、
「そう感じたんだね」と相手の気持ちを受け止める姿勢が大切なのです。
相手の気持ちに寄り添うことで、関係は大きく変わります。
謝罪とは、自分の意図を説明することではなく、
相手の気持ちを理解しようとすることなのです。
まとめ
「そんなつもりじゃなかった」という言葉の裏には、
誰にでもある“自分を守りたい”という心理が隠れています。
しかし、その一言が相手の心を遠ざけることもあります。
大切なのは、意図ではなく“結果”に目を向けること。
相手の立場や気持ちに寄り添うことで、
人間関係はより穏やかで、信頼のあるものに変わっていきます。
もし、あなたの心がその言葉で傷ついたならーー
あなたが苦しまなくていいのです。
どうか傷ついたあなたの心が、静かに癒されますように🌿
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