「わかるよ」「つらかったね」と共感してくれているはずなのに、
気づけばいつも 相手の方がもっと大変だった話をしている。
そんな経験はありませんか?
あなたが抱えた思いを吐き出したいだけなのに、
どこかで“共感の主導権”を奪われてしまう。
そんなとき、人は深い疲労感や孤独感を覚えます。
このように、
共感するふりをしながら、実は自分の立場を上に置こうとする行動 を
エンパシー・マウンティング と呼びます。
この記事では、
• エンパシー・マウンティングの意味
• よくある事例
• 背景にある心理
• 傷つかずにすむための対処法
• 心理学的な解説
を、あなたの心に寄り添う形でやさしく解説します。
あなたが人間関係で感じてきたモヤモヤが軽くなるように願っています。
エンパシー・マウンティングとは?
エンパシー・マウンティングとは、
相手への共感を“競争”として使い、自分の方がつらかった・我慢していたと優位性を取ろうとする行為 のことです。
見た目は共感に近いため、
周りの人からは「優しい人」「話を聞いてくれる人」に見られがちですが、
実際には あなたの感情が置き去りにされる構造 になっています。
●共感のようで共感ではない・・
共感とは本来、
• 相手の感情を理解しようとする
• 相手の状態に寄り添おうとする
といった“相手中心”の姿勢です。
しかしエンパシー・マウンティングでは、
相手の話 → 自分の経験 → 自分のつらさ(上書き)
と展開されるため、本質的には共感ではありません。
形だけは寄り添っているようで、実際には「自分の方が上」という構図を保とうとしているのです。
よくある事例
エンパシー・マウンティングは、日常のあらゆる場面で起こります。
事例1:悩みを話すと、すぐに“もっと大変な話”で返される
「仕事がつらくて…」
「わかるよ。でも私なんて毎日残業で寝る時間もないよ!」
あなたの話はほとんどスルーされ、
いつの間にか相手の“武勇伝”へ切り替わっているケース。
結果、あなたが抱えていた苦しみは軽視されたように感じてしまいます。
事例2:相談が“相手の語り”に乗っ取られる
あなたが相談をしたつもりが、
気づけば相手の思い出話や愚痴のターンに。
「私の話、聞いてくれると思ったのに…」
そんな虚しさだけが残ります。
事例3:「私の方がつらい」を毎回強調する
病気、家庭、仕事、恋愛など、
どのテーマでも “比較” してくる人がいます。
あなたに寄り添う形をとりながら、
結局は「ほら、私の方が頑張っているでしょ?」という主張に。
事例4:アドバイスが説教・自慢に変わる
「昔はもっと大変だった」
「それくらい耐えないと」
「私の方がしんどかったから、あなたも大丈夫」
こうした言葉が続くと、
もはや共感ではなく 支配のためのアドバイス になります。
エンパシー・マウンティングをする人の心理背景
① 自己肯定感の低さ
「自分は十分に頑張れているのだろうか」
という不安が強いため、
人より“上”であることを確認して安心しようとします。
② 承認欲求が強く、比較で安心しようとする
人の話を聞くと、
「それなら私はもっと辛かった」と反射的に比較してしまいます。
比較を通して「自分は価値がある」と感じたい心理が働いています。
③ 劣等感を隠すための防衛
実は心の奥では弱さを抱えており、
他人の悩みを真正面から受け止めることが苦手です。
弱い自分を認めたくないため、
“自分の方がつらい” という構図で防衛します。
④ 本人に悪気がないケースも多い
ここが厄介ですが、
多くの場合、相手本人は 純粋に共有しているつもり です。
「励ましているつもり」
「経験を分かち合っているつもり」
悪意がないぶん、指摘しても伝わりにくい傾向があります。
エンパシー・マウンティングする人の特徴
●話を奪う
話の主導権を握りたがり、
あなたの感情より“自分のストーリー”を優先します。
●いつの間にか「比較の会話」にする
共感とは本来比較しないものですが、
彼らは無意識に「どちらが大変だったか」を測ろうとします。
●リアクションが大げさ
共感を“演じる”ため、
最初は大袈裟に寄り添う人もいます。
エンパシー・マウンティングへの具体的な対処法
ここからは認知行動につながる “実践しやすい対処法” を紹介します。
① 共感勝負に参加しない
相手は「共感を競技化するクセ」があります。
そこにあなたが乗る必要はありません。
• 「そうなんだね」
• 「聞いてくれてありがとう」
など、短く返すことで距離を保てます。
② 境界線(バウンダリー)を引く
相手が話を奪おうとしたときは、
• 「今は私の話を聞いてほしい」
• 「アドバイスではなく、気持ちに寄り添ってもらえると助かるよ」
といった “自分のニーズ” を表現する言葉 が有効です。
③ 受け流しスキル(スルースキル)を使う
相手の話を否定せずに流す方法です。
• 「そういう考え方もあるね」
• 「いろいろあるね」
• 「大変だったね」
これ以上深掘りしない返しをすると、
相手は話を広げにくくなります。
④ 距離を置く/話す相手を変える
最も現実的な対処法でもあります。
あなたが悪いわけではなく、
その人が“聞く役割”に向いていないだけ。
無理に関係を続ける必要はありません。
まとめ
エンパシー・マウンティングは、
共感を使いながら実は 優位に立とうとする行動パターン です。
• あなたの気持ちを奪われてしまう
• 話の主導権を取られる
• 比較の構図に巻き込まれる
といったモヤモヤが起こりますが、
その多くは あなたの話し方や話しの内容が悪いわけではありません。
心理背景を理解し、
適切な距離の取り方や言葉を覚えることで、
あなたの心を守りながら人間関係を続けることができます。
あなたの心のモヤモヤが晴れて、心が軽くなりますように🌿
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