ぐるぐる思考で眠れない夜に―考えが止まらなくなる心の仕組みと向き合い方

ストレスケア(心理学)

夜、布団に入ってから

ふとしたきっかけで考えが始まり、気づけば同じことを何度も思い返している。

「もう寝たいのに」

「考えるのをやめたいのに」

そんな夜を過ごしたことのある人は、きっと少なくないと思います。

ぐるぐる思考で眠れない夜、

そこには、心と脳の自然な働きがあります。

この記事では、

夜に考えが止まらなくなる心理的な仕組みをやさしく紐解きながら、

「無理に止めない」認知行動療法を参考にした、やさしい付き合い方をご紹介します。

眠れない夜の悩みを、少しやわらげるために──

そんな視点で読んでいただけたら嬉しいです。

ぐるぐる思考とは何か

同じ出来事や言葉を、

何度も何度も頭の中で繰り返してしまう思考。

心理学ではこれを「反芻思考(はんすう思考:rumination)」と呼びます。

反芻思考は、

「問題を解決しよう」「理解しよう」とする

とても真面目な心の働きから生まれます。

ただ、夜の反芻思考には特徴があります。

• 新しい答えが出ない

• 気持ちが軽くならない

• むしろ不安や後悔が強まる

これは、

考えるのに適した時間帯ではないからです。

反芻思考の心理的メカニズム

①静けさと脳の活動の関係

夜になると、周囲の音や情報が一気に減ります。

テレビも消え、

人とのやり取りも終わり、

世界が静かになる。

すると脳は、外に向いていた注意を内側へと戻します。

このとき活発になるのが、

デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれる脳の働きです。

DMNは、

• 過去を振り返る

• 自分について考える

• 意味づけを行う

といった活動に関わっています。

つまり夜は、

考えが増えたのではなく、考えが聞こえやすくなる時間

この仕組みを知るだけでも、「また考えてしまった自分」に

気づけるかも知れません。

💡デフォルト・モード・ネットワークとは?
何かに集中していないときに、自然と働く脳のネットワークです。
脳は、外部の情報よりも、記憶や**自分自身に関わる回路へアクセスしやすくなります。
(**「これは”私”に関係がある」と判断し、意味づけのための回路)
それは、脳が「内側の整理」を行なっている状態で、
人間の脳に、もともと備わっている基本的な機能のひとつと考えられています。

②反芻思考と「眠れなさ」の関係

脳は、「まだ考えるべきことがある」と判断すると、

覚醒状態を保とうとします。

反芻思考が続いている間、脳は問題解決モードのまま。

その結果、体は横になっているのに、

脳だけが仕事を続けている状態になります。

「寝なきゃ」と思うほど、

眠れなくなる経験があるのは、このためです。

③過緊張という見えにくい要因

もう一つ、

夜のぐるぐる思考と深く関係するのが過緊張です。

日中、

• 気を張って過ごしている

• 感情を抑えている

• 周囲に合わせている

こうした状態が続くと、体と心はずっと「オン」のままになります。

夜になって緊張がゆるむと、抑えられていた思考や感情が、一気に表に出てきます。

これは、心が安全な時間を選んで整理を始めているサインとも言えます。

はじめは、「眠りが浅い」「考えが止まらない」といった

小さな変化かも知れません。

それでも無理を重ねてしまうと、緊張が「通常」になり、

自分では休み方がわからなくなることがあります。

過緊張は、強いストレス、安心できない環境が続いた結果として

起こることがあります。

原因がはっきりしている場合もあれば、後から気がつくこともあります。

また、本人が「無理をしている」と自覚しにくいもの過緊張の特徴です。

私自身も「頑張っているつもり」だったことが、

実は過緊張で心と体が限界だったという経験があります。

もし、

・眠れない日が何日も続いている

・日常生活に支障を感じている

・心や体が落ち着かない日が続いている

そんなときは、ひとりで抱え込まず、

心療内科や睡眠外来に相談するという選択肢もあることを知っておいてくださいね。

あなたの心と体を守るために。

無理に止めなくていい、認知行動療法的アプローチ3選

ここからは、

「考えを止める」ことを目的にしない、認知行動療法(CBT)の方法をご紹介します。

思考を書き出す(就寝30〜60分前)

頭の中にある考えを、そのまま紙に書き出します。

• まとまっていなくていい

• ネガティブでもいい

• 結論を出さなくていい

書くことで脳は、

「もう覚えておかなくていい」と判断します。

ベッドに入る前に行うのがポイントです。

「考える時間」をあらかじめ作る(日中・夕方の10〜15分間)

日中や夕方に、10〜15分だけ「考えていい時間」を意識的に取ります。

その時間に、不安や気がかりを書き出しておく。

すると夜、

同じ思考が出てきたときに

「これはもう考えた」と区切りをつけやすくなります。

就寝直前ではなく、少し前の時間帯がおすすめです。

ベッドの役割を限定する

ベッドを「考える場所」にしないことを大切にします。

• 眠れない

• 考えが止まらない

そんなときは、

一度ベッドを出て、照明を落とした別の場所で過ごします。

「眠くなったら戻る」

このシンプルな繰り返しが、

脳に「ここは休む場所」と教えてくれます。

眠れない夜に、覚えておいてほしいこと

眠れない夜は、心と体のバランスが少しズレている状態だったり、

心が何かを整理しようとしている途中なのかも知れません。

夜にぐるぐる思考が起こるのは、

一日をちゃんと振り返ろうとする誠実な心の動きだと思います。

なので、そのことで落ち込んだり、心配しなくて大丈夫です。

今夜眠れなくても、それがずっと続くとは限りません。

横になって、体を休ませるだけでも十分です。

まとめ

ぐるぐる思考で眠れない夜は、

「どうにかしなきゃ」と自分を追い詰めてしまいがちです。

でも、それは自然な体の反応なので、どうかご自身を責めないでくださいね。

この記事を読んで、

「答えを出さなくてもいい夜」もあるのだと、思ってもらえたら何よりです。

どうか、あなたの心が安心してゆっくり休めますように🌿

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