「今の仕事、このままでいいのかな」
ふとした瞬間に、そんな不安がよぎることはありませんか?
キャリアチェンジは、人生にとって大きな転機。
でも、「やりたいことがはっきりしない」「自分に何が合うかわからない」という壁にぶつかる人はとても多いです。
実はこの迷いを整理するのに役立つのが、心理学の 自己決定理論(Self-Determination Theory)です。
これは「人が心からやる気を感じるときの心理的な条件」を示す理論で、キャリアの方向性を見つける強力なヒントになります。
キャリアチェンジで迷うのは自然なこと
私たちは仕事を通じて、生活の安定だけでなく「自分らしさ」を形づくっています。
そのため、仕事を変えるということは単なる環境の変化ではなく、自分自身の生き方を見直すことでもあります。
「何がしたいかわからない」というのは、意思が弱いからではありません。
今の仕事に慣れ、価値観が複雑になっているからこそ生まれる自然な心の反応です。
だからこそ、「自分の軸」を一度言語化することがとても大切なのです。
自己決定理論とは?3つの心理的欲求
自己決定理論では、人が内側から意欲を持つために必要な「3つの心理的欲求」があるとされています。
この3つが満たされると、人は活き活きと行動できるようになります。
① 自律性 ― 自分で選んでいる感覚
「自分の意思で選んでいる」と感じられること。
たとえば、上から指示された仕事よりも、自分のアイデアを活かせる仕事の方がやる気が湧きますよね。
キャリアチェンジを考えるときも、「やらなきゃ」ではなく「やってみたい」という感覚があるかどうかが重要なサインになります。
② 有能感 ― 自分の力を発揮できる感覚
得意なことを活かせる環境にいると、人は自然と力を発揮します。
逆に、力を出せない環境では、自信を失いやすくなります。
自分が「努力が成果に変わる」と実感できる仕事が、長く続けられるキャリアの土台になります。
③ 関係性 ― 人とのつながりの感覚
人は社会的な生き物です。
どんなに好きな仕事でも、孤立してしまうとモチベーションは下がります。
一緒に成長できる仲間や、支え合える人間関係もキャリア選びの大事な要素です。
自分軸を整理する簡単なワーク
以下の3つの問いを紙に書き出してみましょう。
• 自律性:「どんな働き方が“自分らしい”と感じるか?」
• 有能感:「どんなときに“自分の力を活かせている”と感じるか?」
• 関係性:「どんな人たちと一緒に働きたいか?」
この問いに正解はありません。
感覚的でも構いませんので、思いつくままに書いていくことで、自分の“軸”が少しずつ見えてきます。
「やりたいこと」は“見つける”ものではなく“つくる”もの
「やりたいことがわからない」と焦る必要はありません。
多くの場合、やりたいことは頭の中で探すものではなく、「行動の中でつくられていく」ものです。
自己決定理論はその道しるべを与えてくれます。
自分の心理的欲求を満たせる環境を少しずつ探し、試していくことで、理想の働き方に近づけます。
まとめ|心理学を味方にキャリアをデザインしよう
キャリアチェンジは、勇気のいる決断です。
でも、その一歩は「完璧な答え」を見つけてからでなくても大丈夫。
まずは、自分の心の声を整理し、自律性・有能感・関係性を満たす方向を描いていくことが、未来への大きな一歩になります。
心理学を味方に、自分だけのキャリアをデザインしていきましょう!


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