「どうせ私なんて…」
そんな言葉がふと頭をよぎる瞬間はありませんか?
やってみたいことがあっても一歩踏み出せなかったり、
失敗した過去が思い出されて行動できなかったり、
誰かに否定された記憶が残り続けて、自信が持てなくなったり。
実はその背景にあるのが “学習性無力感” という心理です。
私たちは過去の経験から、「どうせ何をしても変わらない」と思い込んでしまうことがあります。
でも大丈夫。
学習性無力感は “生まれつきの性格” ではなく、気づきと小さな行動によって少しずつ変えていけるものです。
この記事では、
□なぜ「どうせ私なんて」と思ってしまうのか
□学習性無力感とは何か
□その思考から抜け出すための実践ステップ
を心理学の視点から分かりやすく解説します。
あなたが、もう一度 “自分の人生のハンドル” を取り戻せるように。
そっと寄り添いながら書いていきますね。
「どうせ私なんて」と思ってしまう理由
自信が持てなくなる心のメカニズム
私たちは、生まれた瞬間から自信がないわけではありません。
自信の低さは、これまでの経験によって徐々に作られていきます。
例えば、何かに挑戦した時に
・否定された
・うまくいかなかった
・周りと比べて落ち込んだ
・怒られた、笑われた
こうした経験が積み重なると、
「また失敗するかもしれない…」
「挑戦しない方が傷つかない…」
と感じるようになります。
その結果、
“どうせ私なんて” という言葉が心の中に浮かびやすくなるのです。
過去の経験が思考に影響する
過去のつらい記憶ほど、心に強く焼きつきます。
これは人間の「防衛本能」でもあり、
“もう傷つかないようにしよう” と無意識に身を守ろうとするためです。
しかし、守りの姿勢が強くなりすぎると
新しい経験をする前から諦めるクセがつく ことがあります。
否定され続けると人は「動けなくなる」
「どうせ何をしてもムダ」
「私にはできない」
「やってもうまくいかない」
こうした思いは、実はあなたが弱いから生まれたものではありません。
むしろ、過去にすごく頑張ってきた人ほど感じやすい 心理です。
学習性無力感とは?(やさしく理解する)
セリグマンの実験と“無力感”の発見
心理学者マーティン・セリグマンは、ショッキングな実験から 学習性無力感 を発見しました。
逃げられるはずの状況でも、
「どうせ逃げられない」と思い込んでしまうと、
本当に何もできなくなるという現象です。
これは人間にも当てはまります。
💡心理学での学習とは?
心理学では、繰り返し起きた出来事から”パターン”を覚えることを学習と呼んでいます。
有名な「パブロフの犬」のように、「ベルの音=ごはん」と結びつけて反応する
”条件づけ”も学習の一種です。
生まれつき備わっている反応ではなく、経験に基づく変化を指しています。
人に当てはめるとどうなる?
人が失敗や否定を繰り返し経験すると、
“行動しても意味がない” と学習してしまいます。
その結果:
• 何をしても自信が出ない
• 行動する前に諦める
• 自分を責める
• 挑戦から遠ざかる
こうした状態をまとめて 学習性無力感 と呼びます。
起こりやすい人の特徴
• まじめ
• 人に気を遣う
• 責任感がある
• 過去に強く責められた経験がある
• いい子でいようと頑張ってきた
あなたが当てはまる部分があっても、それは「弱さ」ではありません。
むしろ、優しさや努力が裏返しになっているだけです。
学習性無力感が続くとどうなる?
■挑戦しなくなる
小さなことでも「どうせダメ」と思い、前に進む力が落ちてしまいます。
■自己効力感が下がる
“やればできる感覚” が失われ、自分に対する期待が低くなります。
■失敗=自分のせい」と思い込む
本来は環境や偶然の影響でも、すべて自分の責任だと考えてしまいます。
💡自己効力感とは?
「自分はやればできる」という感覚や自信のことを指します。
心理学者アルバート・バンデューラによって提唱されました。
ポイントは”自信”との違いにあります。
自信:感情や気分に流されやすい
自己効力感:行動に対する期待や能力の認識に基づく
失敗を経験しても「次はうまくいくかも」と思える力が自己効力感です。
今日からできる抜け出し方
① “できること” を小さく設定する
無力感のあるときは、
大きな目標は逆に苦しく感じます。
・5分だけやる
・机に向かうだけ
・1ページだけ読む
これでOKです。
② 成功体験を意識して増やす
できたことを記録するだけでも「自己効力感」が育ちます。
• 朝起きられた
• 少し片付けられた
• 優しい言葉をかけられた
どんな小さなことでも大丈夫。
③ 行動ではなく「心の癖」に気づく
「どうせ私なんて」と思ったら、
“あ、今いつもの癖が出ているな” と気づくだけでOKです。
癖に気づくことは、手放していく第一歩です。
④ 自分に向ける言葉を変える
否定の言葉を、次のように言い換えます。
• ×「どうせできない」
→ ○「ちょっとやってみようかな」
• ×「また失敗する」
→ ○「前とは違うかもしれない」
言葉を変えると、心も少しずつ変わっていきます。
⑤ 過去の“否定された記憶”を書き換える
過去の記憶は「固定された真実」ではありません。
むしろ、そのときの自分が“そう解釈しただけ” という「認知(の歪み)」が原因に
なっている場合があります。
→「私はよくやっていた」
→「当時の環境が厳しすぎただけ」
→「悪いのは私じゃなかった」
と優しく書き換えることで、無力感はゆるみ始めます。
💡認知の歪み
うつ病の研究を進める中で、心理学者のアーロン・T・ベックが
「患者が物事を歪んだ見方で物事を解釈をしている」ことに着目しました。
物事を偏った見方で捉えてしまう認知パターンを「認知の歪み」と
名付けました。
ベック以前にも「思考の偏り」を指摘していた学者はいましたが、
臨床心理学で体系的に整理したのがベックです。
まとめ
学習性無力感は、あなたが弱いから生まれたものではありません。
むしろ、たくさん頑張ってきた証でもあります。
大切なのは、
“小さな成功” を積み重ねながら、心の癖に気づいていくこと。
人生のハンドルは、今この瞬間から少しずつ握り直せます。
あなたの未来は、まだまだ変えられます。
あなたの心が軽くなって、温かな喜びに包まれますように🌿
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