ストレス社会で生きる私たちへ
誰にでも、心がズシンと重くなる瞬間があります。
理不尽な言葉を受けたとき、頑張りが報われないとき、どうしても気持ちが沈んでしまうとき。
そんなときに「我慢」や「ポジティブ思考」で押し込めようとすると、心の中にモヤモヤがたまり続けてしまいます。
実は、ストレスは“なくす”より“逃がす”ことが大切なんです。
心理学では、この「逃がす力」を**ストレスコーピング(stress coping)**と呼びます。
ストレスコーピングとは?
ストレスコーピングとは、ストレスに対して自分なりの方法で対処すること。
心理学者ラザルスとフォルクマンはこれを、
問題焦点型コーピング(問題を解決する)
ストレスの原因を直接解決する方法です。
たとえば、仕事の締め切りに追われているなら「スケジュールを見直す」「誰かに相談する」といった行動。
現実的な対策を取ることで、ストレス源そのものを小さくします。
情動焦点型コーピング(感情を落ち着かせる)
感情を落ち着かせる方法です。
落ち込んだり怒ったりしたときに、気持ちの整理をするタイプのコーピング。
音楽を聴く、泣く、深呼吸するなど、「心を整えること」に焦点をあてます。
回避型コーピング(一時的に距離をとる)
一時的に距離をとってリセットする方法です。
無理に立ち向かわず、意識的に離れることも大切です。
散歩に出る、コーヒーを飲む、趣味に没頭するなど、“小休憩”を挟むことでストレス反応をやわらげます。
の3つに分類しました。
「どれが正しいか」ではなく、「自分が楽になる方法を知っているか」がポイントです。
私が実践している感情を“逃がす”思考・行動コーピング
ここでは、私の実践しているコーピングですが、主な2つを紹介しますね。
思考:「脳内プロレス」
ストレッサーから離れ、ひとりになった時に脳内でストーリーを作ります。
設定:私は、世界最強で無敗記録更新中のレスラー。
思考:今日も華麗に得意技で”一発K.O.”をおさめる。
結末:そして決め台詞は「ふう、煩わせやがって」。試合終了。
何を言っているんだ?と思われるかもしれませんが、こんなアホらしい空想でも気分転換になるんです。
行動:時間があれば、ゴルフの打ちっぱなしへ行く
ボールをセット:モヤモヤとした気持ちをボールへ込めます。
行動:テイクバック→インパクト→フィニッシュの時に、「Say→ good→bye(さようなら)」と心の中で呟きます。インパクトで「good(グッ)」を意識すると程よく腹筋に力が入り、ナイスショットが量産できます。
結果:ナイスショット=嬉しい(ポジティブ)で、心の中のモヤモヤは薄れていきます。
以上は私のオリジナルなので、「プロレス」や「ゴルフ」の部分は、あなたのお好みで変更してくださいね。
掃除や散歩なども効果があります。
まとめ
思考を切り替えること、体を動かすとは、交感神経の高ぶりが鎮まり、怒りや緊張といった情動が整理されます。
つまり、「思考を切り替える」や「自分の体を動かすこと」は、誰も傷つけない最高のストレスコーピングなんです。
ユーモアコーピング:笑いで自分を守る
心理学では、「ユーモアコーピング(humor coping)」という概念もあります。
つらい出来事を笑いに変える力で、ストレスを和らげる方法です。
たとえば、上司に厳しい一言をもらったとき。
「今日もメンタル筋トレの日か!」
予定が狂ったときには、
「これは“人生ハードモード”のチュートリアルだな」
と、自分でツッコミを入れる。
自虐とは違い、こうした軽いユーモアが「自分を責めない心のクッション」になります。
笑いは、脳に「これは危険じゃない」と教えてくれるため、ストレス反応が落ち着くんです。
自分に合った「逃がし方」を持とう
ストレスコーピングに正解はありません。
泣いてもいい、書いてもいい、歌ってもいい。
大事なのは「自分が軽くなる方法」を見つけることです。
ストレスは敵ではなく、心のSOS。
うまく逃がしてあげることで、また優しく笑える自分に戻れます。
時には、心の中で「私は最強」と宣言して。
そんな小さな“コーピング技”を、日常に忍ばせてみませんか?


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